|
スキンケアの基礎は、まず何よりも「洗浄」です。つまり肌にとって不要なもの、「汚れ」をしっかりと落とすことです。それによって肌トラブルの多くが解消されることもあるほど、これは大事なことです。だが、ここで申し添えておきたいのですが、この「肌にとって不要なもの」という定義は、実は難しいのです。洗浄をしっかりしよう、と思うあまり、「肌にとって必要なもの」までいっしょに洗い落としてしまっている可能性があります。
一例を参照すれば、、洗顔後に肌がつっぱる感じがすることはありませんか? お風呂に入ったあと、それともシャワーを浴びたあとに、皮膚がかさかさしてかゆみを感じるということはないでしょうか? これは洗浄料によってお肌の汚れや古い角質層、不要な皮脂だけでなく、お肌にとって必要な「うるおい」まで洗い流しているからです。
人間の肌には、血管のほかに皮脂を分泌する皮脂腺と、汗腺があります。さらに付け加えるならば皮脂膜で覆われています。皮脂膜なぜなら、皮脂腺から分泌される皮脂と汗が交じり合ってできたものです。角層といって皮膚の付加的に深くにある層からの水分の蒸発を防ぐ、天然の保護膜の役割としています。
さらに付け加えるならばこの皮脂膜の下にあるのが、角層や、天然保湿因子、ならびに角層細胞間脂質などです。
「角層」なぜなら、角層細胞が重なりあった層で、皮脂膜と同様、天然の防御膜の働きをしています。また、「天然保湿因子」とは、肌が作り出す水溶性のアミノ酸、塩類で、水分を捕まえて離さない性質をもちます。さらに付け加えるならば、「角層細胞間脂質」とは、角層細胞と角層細胞の間を埋めている脂です。これも角層の水分を保持し、うるおいと保つ働きをしています。

このように人間の皮膚には、本源的にうるおいを保つ働きが備わっているのです。それゆえ、これを取り除かないよう、かつ、汚れをしっかりと落とすことが大事なのです。
|