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湿疹(しっしん)は、皮膚炎(ひふえん)とあまり区別なく用いられる名称です。いずれもはっきりとした要因が不明の皮膚の炎症という程度で使われています。 おもに外的な刺激に対して皮膚が反応して炎症を起こしたもので、かゆみがあります。身体の各部分に、ある広がりをもって生じる肌トラブルの総称です。
大部分は要因となった外的刺激がなくなると自然に軽くなって治ります。伝染はしません。
症状は、刺激に反応した皮膚が変化を起こすと、皮膚が赤くなった状態「赤斑(こうはん)」や、小さなぶつぶつができた状態「丘疹(きゅうしん)」、および水がたまったり膿がたまる、小水疱、のう胞などが、ある広がりをもって生じます。かさぶたがあらわれ、やがてかさぶた取れると軽い色素冷静を残して治ります。
ひきつづき刺激が起こると、トラブルを起こした肌は、しだいに厚くなりごわごわとしてきます。これを「苔癬化(たいせんか)」と呼びます。
病変部の皮膚にはかゆみがあり、ひっかいたりすると悪化しますが、病変部の浸出液がほかの場所に触れて伝染するということはありません。
医療は、患部の状態によって軟膏を塗ったり、ガーゼに軟膏をのばして貼るという手段がとられます。またクリームを塗ることもします。一般には、湿潤面にはクリームを使用しないのが原則です。
使用される薬剤は副腎皮質ホルモン薬(ステロイド薬)の外用薬が付加的にもたくさんになるですが、長期使用によって副機能を起こすことがあるため、皮膚科医による診察と指示を受けることが重要です。
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